看護なう
2021年2月9日
精神科救急病棟
副看護師長 高子知也
2-1病棟は「精神科スーパー救急病棟」として、様々な精神科疾患の患者さんを24時間体制で受け入れています。精神科疾患を抱えた方々は、退院後の病状悪化を防いでいくことが非常に重要です。そのためにはストレスを溜め過ぎないこと、頑張りすぎないことなどがありますが、何より大切なのは「指示通りに服薬を継続すること」と言われています。特に統合失調症の患者さんは、服薬を自己中断してしまうとおよそ8割の方が再発や病状悪化をきたすといわれています。
当病棟では、退院後に患者さんが病状の再燃、増悪を予防するため、上記のような教育・指導的なかかわりを行う場面を設けています。患者さん個々に対する疾患教育に関しては、入院比率の上位3疾患である「統合失調症」、「双極性感情障害」、「うつ」を対象とし実施しています。
集団での患者支援プログラムに関しては、「かるがも」の名称で疾患にかかわらず全患者さんを対象として実施しています。スライドを用いた看護師による講義の他、患者さんがグループになり主体的に意見を出し合うような時間を設けています。
また、精神科疾患を患った患者さんが継続的な治療に臨むためには、ご家族の協力も不可欠です。そのことからご家族に対する支援として、「家族心理教育」も開催しております。「家族心理教育」では疾患等に対する講義のほか、ご家族の他人にはなかなか言うことができない辛さや悩みを同じ病気を患ったほかの患者さんのご家族や医療者に話すことができる座談会を行っています。(*現在は新型コロナウイルス感染症の影響もあり開催を見合わせています)
患者さんにとっては、退院がゴールではなく、その後の生活をつつがなく送ることが重要です。少しでも患者さんがQOLの高い生活を送ることができるよう、その一助になれば、との思いで我々看護師は日々看護にあたっています。
家族心理教室の内容・様子
第1回 講義:統合失調症について(医師)・座談会
第2回 講義:統合失調症の薬について(薬剤師)・座談会
第3回 講義:社会資源について(精神保健福祉士) ・座談会
第4回
講義:対応について(心理士)・座談会
第5回 講義:社会復帰について(看護師)・座談会