下総精神医療センター

看護なう

心のケアの魅力

2021年11月
2-2病棟 副看護師長 錦織 寛太

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私は結核・身体合併症病棟を経験し、今年の4月から重度難治性及びストレスケアである2-2病棟に勤務しています。病棟の特性が異なるためなかなか慣れず、忙しくしていたある日のことです。「やったー!お父さん帰ってきたー!おかえりー!」と帰宅時、子どもが笑顔で抱きついてきてくれました。昨今はコロナ禍でストレスを発散しにくい状況ですが、少しだけ“明日も頑張ろう”と思えました。

皆さんはストレスを発散できていますか?感染防止対策で、もともと趣味であったことが出来なくなったり、気軽に友人と飲食を共に出来なくなったりと、ストレスを発散しにくい状況にある方も多いのではないでしょうか。

2-2病棟では、ストレスをうまく発散できずに悩んでいる方が多く入院されています。休息入院の目的は、入院生活により一時的に日常から離れることです。落ち着いた環境で医療と看護を受け、ストレスに負けない力を回復していただきます。毎日ゆっくり患者さんと関わることができるわけではありませんが、週に一回のヨガや週末のアロママッサージでは、リラックスした時間を共有でき、ストレスを軽減できる看護をしている実感が持てます。

精神的なストレスの内容は、職場の同僚との関係や親子の問題など人によって様々です。精神科のテキストに書かれていないことも多く、看護師としての経験や技術だけでは十分な看護が提供できない場面もたくさんあります。最終的なゴールは患者さんがその人らしい生活を送れるようになること。それを目標に日々私たち看護師は方向性についてカンファレンスをおこない、チームで看護していくのです。カンファレンスでは、経験の浅いスタッフもベテランのスタッフも関係なく、自由に発言し不足部分をメンバー同士で補い合えるチームが私の誇りです。このチームには、看護師だけでなく、医師や作業療法士、相談員、薬剤師、栄養士、心理士も含まれます。それぞれの専門性を活かし、情報共有をすることでより患者を多面的に見ることができる強力なチームとなっています。

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心のケアは身体のケアよりも非常に繊細で、言動だけでなく息遣いにも気を配りながら患者さんと関わることが大切だと思います。自分の言動に責任を持ち、自分自身の人間性と向き合いながら、患者さんと成長しあえる看護は非常に魅力的です。

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