下総精神医療センター

看護なう

デイケアスタッフは未来への架け橋職人

令和4年2月吉日
外来・デイケア 副看護師長 熊澤 妙子

私は看護師生活の中で精神科看護に関わった期間が一番長く、病棟で入院されている様々な方に出会ってきました。耐え難い重い症状に苦しんでおられる方、精神障害のため家族や.社会から疎外され帰る場所もない方、またそのご家族の生きにくさや苦労を目の当たりにし、正直なことを言うと「先が見えない看護」に直面して自分自身の無力さを痛感し看護師を辞めたいと思うこともありました。しかし今まで頑張ってこられたのは精神障害と闘う方に関わる中で、逆に学ばせていただくことや勇気づけられることが沢山あり、その経験で看護観、人生観が培われたのだと思います。だからどんな症状の方に出会っても決してあきらめることなく、その方の人生に「少しでも寄り添っていきたい」という思いで看護師を続けてきました。

そして今年度4月から私は初めて病棟看護から外来・デイケアに配属になり、医師、作業療法士、精神保健福祉士、音楽療法士など多職種のスタッフとチームで働くようになりました。そこで衝撃を受けたのは退院していった方が外来に受診に来られている姿やデイケアに通所してこられる姿が社会の中で見違えるほど活き活きとされており入院中に見た方とはあまりにもかけ離れて見えたことです。しかしデイケアにきて通所者の方と関わる中で多くの方から「デイケアが心の拠り所」「デイケアがなくなってしまったら頼る所がなくなってしまう」と言われ、最初は活き活きとして見えた方々も社会へ出るために、また大きなハードルを乗り越えようと一生懸命に闘われているということが解りました。

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そんな通所者の方たちを頼もしい各専門分野のデイケアスタッフがいろんな角度から支え、障害で失った様々なその人らしさを取り戻せるように「寄り添っていく関わり」をチーム一丸で出来ることが今の私は楽しいです。

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現在はコロナ感染拡大、異常気象など自分たちを取り巻く環境も大きく変化し、今まで出来ていたプログラムの内容もその環境に合わせて変化させざるを得ない状況です。楽しみも少なくなる中、精神障害で社会活動に困難を感じている方が決まった時間に通い、文化活動や運動など様々なプログラムを継続できることが大事です。そこで4月からは感染管理認定看護師と共に感染予防対策、リラクゼーションでアロマセラピーを取り入れて安全、安心に継続利用出来るよう対応しています。

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病棟看護で学んだ経験を活かし症状の再発予防、対人関係の練習、就学や就労に向けた支援を継続すること。地域のチームとも連携し精神障害を持ちながらも自分らしく生きていけるように未来への架け橋を築く事。橋を渡ったその先は、その人にとって明るく優しい社会が繋がっているようにしていくことが、今の自分の役割だと考え、チーム仲良く協力し合って毎日“架け橋つくり職人”として頑張っています。

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