下総精神医療センター

看護なう

3病棟職員のチカラ

令和4年9月30日
3病棟看護師長 金子 美代子

私は、医療観察法病棟である3病棟へ今年の4月から配置換えで参りました。医療観察法病棟は、裁判で入院が決定された対象者の社会復帰に向け、医師、看護師、心理士、精神保健福祉士、作業療法士等がチームで関わっています。

裁判で入院決定されるということは、それまでの精神状態がとても悪いということで、こうした対象者に関わる医療観察法病棟の職員は、とても丁寧に粘り強く対象者個々に関わっています。どんな状態の対象者でも、社会復帰までつなげるという強い思いで対象者と関わっている職員をみていると、忘れかけていた看護師としてのやりがいが思い出され、私のモチベーションも上がります。

薬物療法だけではなく、コミュニケーションを大切にし、人として関わることが求められる医療観察法病棟では、人生経験が多いベテランの職員がとても多いです。対象者への声のかけ方、職員の思いの表出の仕方、職員間での役割分担を事前に決め対象者と関わる姿…初めて目の当たりにしたときには、とても驚いたことを覚えています。興奮していた対象者も次第に職員の話を聞いている…言葉や表情でこんなに人を変えられる… 精神科看護でもっとも求められる能力だと思います。そして、この能力は誰もがすぐ学んでできるわけではなく、これまでの人生経験、看護師経験、価値観等が必要だと改めて実感しています。

さて、今年もヤギが当院へやってきました。病棟周囲の草をせっせと食べてくれています。いつ見ても穏やかにせっせと草を食べ、小屋で休んでいるヤギの姿をみていると、とても癒されます。こうしたホットした場面を見せてくれるヤギは、私たち職員の精神を安定させてくれています。職員へのアニマルセラピーともいえるでしょう。

image01
image02
過去の看護部なう
看護情報にもどる
ページのトップへ戻る