下総精神医療センター

実習指導者になって

令和5年5月吉日
1-1病棟看護師 細谷和夫

看護師19年目の細谷です。去年、実習指導者の資格をとらせていただきました。去年から実習指導をやらせていただいております。

学生は精神科病棟についてのイメージをきくと、「怖い」「話しづらい」という印象が強いようです。学生の年代は20代が多く、社会経験もほぼない状態、で精神科患者特有の妄想・幻覚、特有の容姿を目のあたりにしなければなりません。

私も学生時代経験しました、無口な患者で表情が変化せず、何を話したら良いか?怒られないか?と不安でした。指導者さんは、その時に患者さんに自然に話かけてくださり笑顔を見せてくださいました。自分が安心した覚えがありその看護師の事を今でも覚えています。

患者さんはコミュニケーションがうまくいかない事が多々あり、声を発する事ができない、話そうとしない、妄想が出現する時もあります。一般科の患者さんとのコミュニケーションとは違い、特異的な場合が多いです。まだ若い学生にとって精神科の実習は患者と話すという事だけでも大きなハードルで、最初から困難な状況に陥る事が多いです。

まずスムーズに実習をしていただくため、病棟で学生の安全な実習の場の提供調整をする。他のスタッフにも協力をいただき楽しい雰囲気づくりをこころがけております。そして実習中の教材として、患者さんとの効果的なコミュニケーションの方法としてCVPPPのディエスカレーションの応用を講義として使用しております。患者さんが何を考えどんな感情なのか察知するために表情・言動観察する事、お互いに気持ちよく話すための距離感、目線、話し方や声のトーン、会話の間の取り方等を中心に指導しております。これは精神科の患者さんだけではなく、友人や家族と知人も一緒でありとても実用的であると説明しております。

このコミュニケーション技術を利用できれば、不安や恐怖で緊張をしている学生も効果的に実習を行う事ができると思います。コミュニケーションだけではなく、ケアも促進され、充実した精神科実習を行う事ができ、よい思い出として残るでしょう。

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