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令和7年2月
10病棟 安田 浩二
薬物乱用・中毒専門病棟での働きがい
~その人の人生に深く寄り添い、回復の道を共に歩む~
私は薬物乱用・中毒専門病棟に勤務して15年になります。1つの病棟に長く勤務していると、「仕事へのモチベーションが低下しないの?」とよく聞かれます。しかし、一つの病棟に長く勤務することで患者の人生に深く関わることができ、回復への手助けができる病棟だと感じて、むしろやりがいにつながっています。
長く勤務してきたからこそ学んだ「時間をかけて関わることの大切さ」について紹介します
患者情報
- A氏:覚せい剤使用障害
- 覚せい剤を乱用し、入退院を繰り返す
- 生活保護受給中
1回目の入院
- ダルク(※)入寮を勧めても否認が強く、「自分は大丈夫。問題ない。病気は治った。働ける。」等と根拠のない発言を続けていた。
※ダルク:薬物依存症回復支援施設
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A氏の退院
- 看護師との面談内容には全く聞く耳を持たず、「大丈夫、もう(覚せい剤)はやらないよ」と言い、退院。
2回目の入院
- しばらくし、覚せい剤を再使用し入院。
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A氏の退院とその後の経過
- A氏は数日真剣に考え、ダルク入寮を決め退院。
- ダルクへ入寮し3年後は、就労し自立した生活を送っている。
そしてA氏からの手紙
「看護師さんには感謝しています。こんな自分に就何度も面接をしてくれて、おかげで孤独を感じることは少なかったです。あの時、このままではまずいなって気持ちになったけど自分からは動けなかった。次の入院で生保を切るって言われた時、就凄く腹が立ったけど背中を押された感じがした。ダルクに入ったおかげで今は就労に向けて頑張っています。本当にありがとうございました。」
薬物乱用・中毒専門病棟での看護は、患者の人生の再構築をサポートすることです。長く働くことで「時間をかけて関わることの大切さ」を学べます。患者の人生に深く寄り添い、回復の道を共に歩むことができるのは薬物乱用・中毒専門病棟で働く看護師ならではの魅力だと感じています。
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