下総精神医療センター

看護部なう。Nursing Department News。令和8年10月号。担当:小見川 結衣。将来の夢は? 子供の頃、「大人になったら何になりたい?」と聞かれたら、「魔法使いになりたい」と絵本片手に答えていた。残念ながら、履歴書の資格欄に「魔法使い見習い」とかける日はまだ来ていない。今でも魔女や魔法使いが登場する話は好きだ。大鍋で薬を煮込み、呪文を唱え、困っている人を助ける。もしそんな魔法が使えたら点滴は一瞬で終わり、傷も瞬きの間に治るし、夜勤明けの眠気も「えいっ」の一言で消えてくれるだろう。そんな魔法があれば、きっと世界大ヒット間違いなしだ。しかし、現実はそう甘くない。薬が効くまで時間があり、傷は少しずつ治っていく。焦っても、魔法の呪文は出てこない。その代わりにあるのが、観察する力だ。顔色や表情、声の調子、「今日はいつもと少し違うな」という小さな変化に気づくこと。それは派手ではないけれど、とても大切な力だと思う。考えてみると、昔の人が今の医療を見たら「これは魔法だ」と驚くかもしれない。でも、人を安心させる言葉や、小さな変化に気づく目は、毎日の積み重ねで少しずつ身に着けられる。そう考えると、魔法使いへの道は、案外遠回りではなかったのかもしれない。…それでも、「夜勤明けでも元気になる魔法」だけは、誰か早く開発してほしい。
過去の看護部なう
看護情報にもどる
ページのトップへ戻る