下総精神医療センター

看護なう

2020年9月25日
結核・身体合併症病棟 副看護師長 笹川智仁

精神科看護の魅力はなんですか?

皆さんこんにちは。私は精神科急性期病棟や薬物乱用・中毒専門病棟を経験し現在は結核・身体合併症病棟で副看護師長として勤務しています。 この原稿を書くにあたり、皆さんに精神科看護の魅力を少しでも知ってもらえたらと思い、病棟の看護師に以下の質問をしてみました。

「精神科看護の魅力はなんですか?」
20代看護師Hさん
「精神科は患者さんとゆっくり関われる機会が多いので就職を希望しました。」
30代看護師Nさん
「同じ精神疾患でも症状が様々で、対応方法が違ってきます。対応方法も十人十色で、上手くいった時にやりがいを感じます。」
40代看護師Wさん「患者さんの疾患だけでなく、その人の人間性を見ることが必要です。また、自分自身の人間性が試されます。」

フムフム。ポイントは看護師のコミュニケーションが患者さんに与える影響がとても大きく、やりがいがあるということでしょうか。

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皆の話を聞いて、入職してすぐのころの自分の経験を思い出しました。幻覚妄想から興奮している患者さんが薬を飲まないと大声を出して看護師に対し罵声を浴びせるということがありました。それに対して私も感情的になり、怒りから冷静に対応できませんでした。その結果、患者さんは薬を飲みませんでした。その少しあと、先輩看護師が「患者さんも辛いんだよね」と一言。私は患者の言葉に自分の感情を乱され冷静さを失ってしまいましたが、先輩看護師はまずは、相手の立場にたって考えてみるということを教えてくれたのだと思います。

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現在の私は、患者さんが薬を飲みたくないと言った時には、まずはなぜ飲みたくないのか理由を聞くようにしています。その人その人によって、飲みたくない理由が必ずあります。患者さんの思いを聞くことを念頭に対応すると、冷静にどのような看護がいいのか考えられるようになります。

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まだ駆け出しだった頃の自分と比べればだいぶ成長できたかなと思います。(自己肯定は大事です!)精神科の患者さんは同じ病名だからと言って症状は同じではありません。一人一人の患者さんの考えや思いを知ることから看護が始まります。看護師の対応が患者さんの病状に良くも悪くも大きく影響することから私は、精神科は他の診療科に比べ、看護師の治療的役割が大きいと思っています。その分責任を感じ、しんどい時もありますが、悩んだ時はチームで話し合って、よい看護ができた!という実感を共有していきたいと思っています。

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