下総精神医療センター

看護なう

2021年3月15日
しもやぎ訪問看護ステーション
看護師 小林 真澄

皆さん、こんにちは。この1年はコロナウイルスによる長期に渡る緊急事態宣言の中、しもやぎ訪問看護ステーションも感染に対して沢山の緊張感を抱えながら、懸命に日々の訪問を続けてきました。自身の体温や体調管理、家族の健康管理、アイシールドとマスク、1訪問平均4回以上の手指消毒。1ヶ月に500件近い訪問先へ出向くという、責任とリスクに苛まれてながらも、職員間で情報共有と感染対策の確認を繰り返し、感染者をだすことなく今に至ります。

実際にマスクを着用すると、表情や口元が見えにくくなります。これは生活の中で誰もが感じることだとは思いますが、相手の細かな反応や思いが伝わりづらくなります。これまでは訪問看護では、マスクの着用はしていなかったので、実際の患者さんと私たち看護師は、お互いの表情で細かに感情を伝え合える環境にありました。しかし今は、口元が見えないため耳だけで言葉を聞き取り、表情が見えない分相手の声のトーンや雰囲気で心情を読み取ったりする場面が多くあります。

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このような状況の中で私が日々心がけていることは、

  • 目の表情を、できるだけ優しく豊かにすること
  • 相手の目の表情や体の動き・仕草などを、より一層観察すること
  • マスクで覆われ内に秘めがちになる気持ちがあることを心に留めながら、思いを自然に表出できるように、1つ1つ丁寧に言葉かけして聞いていくこと

です。

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今の世の中では適切な感染対策が誰にとっても必須となっています。しかし、その中で感染対策のために身を包むこと=心の防御となり、マスクの内に隠してしまう気持ちや思いもあるのではないか、と感じています。マスクによる感染対策が心のソーシャルディスタンスとならないように、看護の壁や弊害とならないように、私たち看護師はこれまで以上に、患者さんの言葉を丁寧に聞き取り、大事に受け止めて関わっていくことが大切なのではないか、と思います。

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