研修情報
第五回条件反射制御法研修会
- サティスフェイク・タブレットの使い方
デイケア・クリニックほっとステーション
院長 長谷川直実
Ⅰ.サティスフェイク・タブレットはなぜ効果があるのでしょうか?
癖になっている過量服薬行動イコール薬効への欲求ではありません。条件反射について学んだ皆さんは、これが、ある状況下で、「薬をたくさんのむこと」が神経活動として定着したものであることがおわかりになるでしょう。
Ⅱ.クライアントへの説明の仕方
サティスフェイク(SF)・タブレットを用いた処方薬乱用の治療は、偽薬で騙すものではありません。つまり、プラセボ効果を狙ったものではありません。クライアントにも偽薬であることを伝えます。SF・タブレット導入に際し、まずクライエントに例えば次のようなポイントを説明します。
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①今、あなたの脳には、いろいろな状況で「クスリをたくさんのむ」という神経回路ができあがってしまっています。例えば何かいやなことがあったとき、お酒を飲みたくなったときなどにその神経回路が動き出すスィッチが入ります。そのような時、クスリをのんで現実逃避をしたり、ふわふわした感じを味わったりすると、益々その神経回路は強力なものになってしまいます。
②SF・タブレットを使って、クスリの欲求を空振りさせ、この神経回路を弱めていきましょう。
③そういうわけで、SF・タブレットは薬効成分は入っていませんが、クスリに
依存して、ついたくさんのんでしまう人に効果があります。 ・・・・・・
Ⅲ.サティスフェイク・タブレットの使い方
(1)不適切な過量服薬、大量服薬を繰り返す人
①それまでの頓用薬を定時薬に組み込んで処方。頓用薬を全てSFに。
②ちびちび出さずに初めはどんと多めに処方。
③過量服薬をしたい時もしたくない時も服用するように指導。
(2)常用量依存
連用している抗不安薬などの一部をSFに切り替えて減薬へ。
※講義では、事例を通して使い方を紹介します。