研修情報
第五回条件反射制御法研修会
- ダルクにおける条件反射制御法の維持作業
千葉ダルク代表
白川 雄一郎
ダルクも今年度2013年で創設28周年を迎え、今日現在、全国約70か所で活動をしている。約28年前の設立当初から米国のアルコール依存症からの回復のための当事者による自助グループAAを基とする12ステップ・プログラムとグループ・セラピー(ミーティング)をほぼ唯一のプログラムとしてきた。その位置づけも医療・矯正施設と社会との中間施設であり、その運営もほとんどが当事者の常勤職員によっておこなわれている。
その活動で医療機関との係りはダルク利用者の精神障害治療のための通院診療とその増悪期や薬物、アルコールなどの再使用時のデトックスや離脱のための入院治療での係りと精神科医療機関に入院中のクライアントの退院後の行き場としての係りがある。
その連携の中でダルクの役割は社会復帰のための生活訓練、段階をふんでの就労・自立、そして社会復帰後も薬物を使わない生活を維持するための自助グループへの橋渡しや退寮後もダルクでの居場所や所属感を維持してもらうこと。
医療機関の役割は薬物のデトックスや離脱、薬物起因の精神障害の軽減であろう。
現在、下総精神医療センターの十病棟内で行われている条件反射制御法については2010年4月より千葉ダルクの責任者が毎週月曜日その作業に研究補助員として立ち会いその効果と作業手順を十分に理解した後、当センターでこの治療を維持ステージまで終えたクライアントのダルク内での維持作業を昨年度より開始した。今年度8月31日現在7名が千葉ダルク内で維持ステージを実施しており、今年2月より施設内で維持ステージを開始した市原ダルク(8月31日現在7名が参加)とともに条件反射制御法をプログラムとして取り入れている。
千葉ダルクでは職員を条件反射制御法の研修に参加させ、その実施に際し必ず職員が立ち会うこと、擬似摂取のキットは事務所で施錠保管すること、他の利用者の出入りのない場でおこなうなどいくつかのルールを設けている。
その効果に関しては当該摂取の当該薬物に対する渇望の低減以外に入院中の擬似ステージ、想像ステージで反応の低減を経験した利用者がダルク内で維持ステージを続けることにより自信や安心感をもって入寮生活ができるという心理的効果もみうけられる。
今後も下総精神医療センターのクライアントの退院後の受け入れ先となっている社会復帰施設の職員の条件反射制御法研修への参加やその施設内での条件反射制御法の維持ステージの実施を促していきたい。